kameKiKu’s blog、小さな庭日記

バラ好き、コーラスとパッチワークが趣味の関西在住シニア、植物と共に日々雑感

ノーベル文学賞

カズオ イシグロ氏が今年のノーベル文学賞を受賞した。ひと月くらい前、BSで「日の名残り」の映画をみたとこだった。以前にもDVDで同じ映画を見たことがあり、二回見たことになる。見ている方はご存知と思うけれど、第二次世界大戦前後の、イギリスの上流階級の屋敷で働く執事の物語である。1993年のイギリス映画。

 

(ツダンホンシン)

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イギリスの上流階級を描いたテレビドラマ「ダウントン アビー」というのも五クールくらい放映されたのだけれど、全部見ていた。かつてのイギリスの上流階級というのは、本当にその暮らしぶりが日本人にはなじみのないようなお屋敷暮らしで、すぐには想像もできないもので、興味をそそられた。その暮らしは、大きな館、城のような洋館暮らしで、使用人も何人も働いているというのが描かれている。

 

(イレーヌ ワッツ)

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元々イギリスはかなりな階級社会であり、上流階級が行く学校やパブなども、労働者階級が行くところとは違うといわれていた。ダウントン アビーでは、それが打ち破られようとする場面が描かれていて、屋敷のお嬢様と雇われている運転手が、階級を越えて結婚し、階級社会のしがらみの中でもがき苦しむ様子も表されていた。

 

(ラジオタイムス蕾) 

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日の名残り」も親子で雇われている執事とその父親だけれど、執事の仕事を完璧にこなすためには、私情を廃し常に冷静でいなければならない。1人の主人に仕えた執事のプライドと心を解き放たれることのない自分への少しの苦悩とが伝わって来る、深い映画だった。

 

(ラジオタイムス  蕾が一日経って開いた花)

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実際映画は数々あるけれど、もう一度見たい、と思う映画は少ない。この「日の名残り」は、私にとってもう一度見てみたい映画のうちに入る。いい映画は心を豊かにしてくれる。

 

(山の柿)

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インタビューでイシグロ氏は「アーティスティックな面は日本から影響を受けている」というようなことを言っていたが、イギリスで人生のほとんどを過ごしているにも関わらず、血の流れているルーツに触れていたのが、印象的だった。そのうちイシグロ氏の他の本も読んでみたい。今は「モーツァルトの手紙」がまだ読書途中(笑)。