ジム トンプソンの家とアウトレット
タイシルクと言えばジムトンプソン、とすぐ出で来るくらい有名だ。もともと建築学を学んでいたトンプソン氏だが、第二次世界大戦の頃アメリカ陸軍に志願し、その後CIAの前身の秘密諜報機関に所属し大戦が終わるまでヨーロッパで活動したという。
インドシナ半島でも活動し、対戦が終結したのちもアメリカに帰らず、タイに留まった。機械織が盛んになり衰退していたシルクに目をつけ、私財をタイシルクの復興につぎ込み、アメリカ映画「王様と私」の衣装を手掛けたことから、世界的にタイシルクが脚光を浴びるようになったという。私もユル ブリンナーが演じたこの映画を子供の頃見た記憶がある。
(観光客やガイドが待機する前庭)
その後マレーシアで謎の失踪事件になり、未だにその失踪の真実は未解決のままであるという。建築に造形が深かったため、タイの古い家を解体してそれを自分が設計したタイ風の家に使ったりして、タイやカンボジアなどの古美術をそこに飾っていた。良き古い伝統的なものを生かして自分の家として住んでいた家だ。
(サバイを身に着けているガイドさんか案内人の従業員 サバイの柄は一人ずつ違っていて素敵)
ジム トンプソンの家にはBTSで行った。スタジアム駅まで行き、そこからは徒歩10分くらい。入場料150バーツ。ちょうど日本語ガイドがいてくれて、私達を案内してくれた。
前庭は南国の植物に溢れていていい雰囲気をだしている。そこに赤茶色の壁の高床式のタイ風建物が建っている。前庭には案内の女性達が民族衣装のサバイ、腰巻布を身に着けて何人か座っていた。私達のガイドは日本人で、ガイドになってまだ1年も経っていないといっていた、50代くらいの方だった。
前述したジム トンプソン氏の経歴などを説明され、家の中、室内を見て回った。写真撮影禁止の所もあり写せなかったが、どの部屋も、庭の緑が窓を額縁にして見えるように、美しく古典的民族家具で整えられていた。窓は自然の風が入るようにとガラスなどなく、窓枠だけあるという風だった。1か所だけ、書斎の机前の窓だけは例外的にガラスがはめ込まれていた。
現代ではどこもかしこもコンクリートの建物だらけだけれども、高床式とか、その土地にあった建物というのもあるはずだ。タイでは暑いので、建物は北向きが好まれるとかチラリと聞いたことがある。確かに暑いから日本のように南向きではないみたい。息子のマンションも北、北東向きに建っていた。
ジム トンプソンアウトレツト
別な日、友人達とジム トンプソンのアウトレットへ行くことにし、現地で落ち合うことになった。BTSでバンジャーク駅まで。前もって道筋など調べていたのだけれど、時々道行く人に尋ねながらたどり着いた。BTSに乗るのに、日本でいうイコカやスイカのようなカードを買っていたので、便利に乗り降り出来た。友達たちはもう先に着いていた。
シルクのクロスの様々な商品が五階建ての建物の中に売られている。アウトレツトと言っても、商品は確かなもの、と。ジム トンプソンの店はサイアムパラゴンデパートの中にもあるし、セントラルワールドのあたりにもあったし、エンポリアムデパートにもあり、タイ国内で30店舗くらいあるらしい。
(アウトレツトの正面玄関)
けれどもさすがにシルクのブランド、ジム トンプソンなので、お値段もそういう店では当然お高い。昨年もサイアムセントラルワールドで見て回ったのだけれど、スカーフやストール、クッションカバー、小物のポーチひとつにしても、そこそこのお値段しているので、買わなかった。
ここのアウトレットでは、それから考えるととてもリーズナブル。小物のポーチなども手が届く値段なので、4つ買ったし夫のポロシャツもセールになっていたので買いました。まぁお買い物は楽しいですが、この年になると、若い頃とは違いそう飛びついて欲しいという物もなくなるので・・・。懐も考えつつ・・・(笑)。
友達たちもそれぞれに買ったようで、満足して店を出たのだった。