用があって出かけたついでに、東寺に寄ってみた。東寺は、794年に桓武天皇が、都を長岡京から平安京に移した時、羅城門の東西に大寺を置いたその一つだ。西寺はというと、現在は無くなっているのだが、南区唐橋西寺町に西寺跡として史跡になっているという。京には桜の名所は沢山あるが、案外東寺は穴場で、さほど混雑もしていなくて、静かに庭園内を散策出来た。
慶賀門から入ると、すぐに左手の方に新幹線からも見えるあの五重塔が少し見えてくる。何と言っても東寺はこの五重塔が主役のようなところ。もちろん国宝だらけの東寺なので、金堂の薬師三尊や十二神将、講堂の立体曼荼羅なども素晴らしい。
品よく新芽の緑が鮮やかな柳と桜の隙間から、遠景に五重塔が見えたりする入り口までの道を、楽しみながら歩き(今日は一人花見(笑))五百円の入場料を払い庭園に入った。入るとすぐ大きな枝垂れ桜が目に飛び込んで来る。この枝垂れ桜は「不二桜」という東寺での銘木の紅枝垂れ桜だ。
しかしこの「不二桜」が東寺に来たのは割りに最近のことで、2006年だった。元々は岩手県にあった桜なのだけれど、変遷を経て、弘法大師の唐からの帰朝1200年の記念に東寺に植えられたのだとか。枝垂桜の支え支柱が多いので、きれいに写らないなぁとこぼしながらシャッターを押していた(笑)。今日のカメラはソニーのcyber shot。歩きの時は一眼レフなど重くて私には無理、無理(笑)。
瓢箪池の周りを歩いていくと池の向こう、南の方に五重塔が見える。桜の花々の中にキリッと立ち上がっている五重塔。この五重塔は四回も落雷などのため焼失の憂き目に遭い、現在のものは江戸時代のもの。何百年もの風雪に耐えて、こうしてそびえているのが美しく、感動を呼び起こす。
庭園をぐるりと回り、金堂の中に入った。金堂もやはり一度焼失し、桃山時代のものというが、大きな柱など重厚などっしりした造りの建物だった。金堂を出てからも、桜の衣をまとったような五重塔が良く見え、なかなかの景観だった。
高い建物を造るのは、洋の東西を問わず人間がしてきたことだけれど、今でもロケットを上げてチャレンジしているように、天空への憧れが人間にはあるのだろうか。仏舎利塔としての五重塔、最古のものは法隆寺の奈良時代の五重塔だけれど、こんな地震国なのに倒れずに今あるのが素晴らしい。古の人々の英知を集めた建物が五重塔ということに改めて尊敬の念を抱かされる。
最後に講堂の立体曼荼羅を見て、御朱印をいただいて帰った。桜は満開真っ盛り、お花見は、うまく真っ盛りの満開に当たることが難しかったりするのだけれど、今日はたまたま立ち寄れて、桜爛漫の春を堪能した。1人花見は初めてしたのだけれど、気のおもむくままでそれなりに楽しめますね(笑)。。。さぁ、花見は第何弾まで行くでしょうか(^^♪。